怪鳥物語(?)

ある密林に、イャンクックさんという怪鳥が住んでいました。

このクックさんは、普通のクックさんよりも悪いクックさんで、いつも気弱なアプトノスちゃんをいじめていました。
クック「お前は弱々しくしてるからいじめられるんだ。だからオレが力強くなるように鍛えてやる。感謝しな!」
アプトノス「そんな…私は草食ですから…力強くなんて…。」
クック「まずはそのひ弱な根性から叩き直してやるよ!」
アプトノス「ら…乱暴はやめて下さい!…誰か、誰か助けてーっっ!!」
クック「バカだなお前は。こんな鬱蒼とした密林に、わざわざ助けに来る奴がいるとでも思っているのか?」
アプトノス「うぅ…。」
 
そう、ここは密林。クックさんとアプトノスちゃん以外に人気(竜気?)はありません。
ですが、今日ばかりは少し違うようです。
 
????「草食竜をいたぶって喜んでるとは…イャンクックも地に堕ちたな。」
クック「誰だオレの調教の邪魔をする奴は!?」

ガルルガ「俺だ。お前のような性根の腐ったクックを懲らしめに来た。」
クック「はっ…はははははっ!喧嘩好きで狡猾なお前が人(竜)助けとはなぁ!笑わせてくれるっ!」
ガルルガ「…勘違いするな。人助けとは一言も言ってない。」
クック「だとよ。アプトノス。」
アプトノス「…。」
クック「で、俺とやろうってわけだな?」
ガルルガ「そうだ。…手加減なしでかかって来い!」
クック「言われなくともそうするわっ!食らえ!突進!」
ガルルガ「突進する前に突進と言うとは…馬鹿か!?」
クック「くっ…バカにするなっ!食らえ!ついばみっ!」
ガルルガ「…どうやら本物の馬鹿らしいな。お返しだ!」
ガルルガさん、毒付きの恐ろしい尻尾を振り回します。
クック「キュエッ!?く…毒とは卑怯な!」

ガルルガ「勝負あったな。」
クック「クソッ…!力が出ねぇ!」
アプトノス「あ…ありがとうございましたっ!おかげで命拾いしました!」
ガルルガ「礼には及ばん。俺はただ、性根の腐ったクックを懲らしめただけだ。…ではな。」
 
ガルルガさんは飛び立ち、その場を後にしたのでした。
 
 
クック「お…覚えてやが…れぇっっ!!」
 
 
密林にはただ、クックさんの雄たけびだけがこだましていましたとさ。
 
おわり。